街中にある のっぺりとした白い壁
まちなか、駅の通路に白いのっぺりとした壁を見ることがある。
これらは、「仮囲い」と呼ばれている。
スタートアップとして現在は建設業の方に多くのサービスを提供しているため、この「仮囲い」の中に入るのだ。
そして、そこは普段の生活とは程遠い異世界である。
通常、ビジネスをしていても、ちょっとのことでは死ぬことはない。
でも、仮囲いの中はそうではない。
工事現場は日本で最も危ない場所のひとつ
厚労省の令和1年の業種別労働災害発生状況を見てみる。
建設業が最も死亡者が多いことがわかる。
令和1年では269人もの人が亡くなっている。
次いで、製造業、陸上貨物運送事業となっている。
仮囲いの中の工事現場
渋谷駅の工事現場の写真をご覧いただきたい。
山手線を乗りながらでも見える現場で、西口をでた歩道橋の上から撮影したものだ。
都内の大規模な工事現場のうち、もっとも簡単に見れる現場の1つだろう。
写真にうつっている作業員の方に比べて、建設重機の大きさがよくわかる。
これらの建設重機が縦横無尽に動き、重い資材を移動させている。
工事が進めば、作業員は高いところでの作業も必要になっていくる。
工事現場で起こる事故
このような工事現場でどのような事故がおきるかというと、以下の3つで全体の70%を占めている。
「墜落・転落」
「建設機械・クレーン等」
「倒壊・崩壊」
特に「墜落・転落」は全体の40%近くになっている。
墜落事故の要因としては、人的、物的、環境、管理の4つの要因があり、
その中でも人的要因(特に「規律の無視行動・危険な行為」「肉体的・精神的要因」)が多く挙げられている。
出典
命を守る装備品
日々、工事が進むなかで、使う建設重機がかわる、工事の種類がかわる、資材の移動がある、出入りする作業員の人もかわる。という変化が絶えずあるのが工事現場だ。
そのような中で、最低限命を守る装備品がある。
・ヘルメット(頭を守る)
・安全靴(鉄板入りで重いものが落ちてきても守る)
・安全帯(高いところでの命綱)
足場やせまい場所では気にしていても頭を打つこともあるし、資材に足をぶつけてしまうこともある。特に高所(一般的には2m以上)では、必ず安全帯を使わないといけない。
4階建ての、壁がない構造物に自社のIOT機器を設置するときは一苦労だ。
これらのハード的なものはもちろんのこと、いつも以下のことを気に留めている必要がある。
・「自分だけは大丈夫」と思わずに、ルールや手順を守る
・現場の人と共有し、常に注意を喚起する
・定期的に安全衛生教育を受ける
スゴいよ工事現場
場所を変えて、オリンピックの水泳競技の会場である「東京アクアティクスセンター」の工事をタイムラプスでご覧あれ。
動画の途中で屋根を持ち上げている場面がある。7000トンの屋根が徐々にあがっていくのである。
ぜひオリンピックの施設がどのように工事で出来上がっているのかを見ていただきたい。
それでも工事現場には課題がたくさん
新しく建物や構造物をつくる現場に焦点をあてたが、
すでに使われているモノをメンテナンスすることも大変だ。
さらには、台風や地震によって、道路、線路、河川を復旧させることも大変だ。
これらの工事現場では実に多くの課題を抱えている。
自分たちが提供するサービスがより多くの現場の人を支えられるように、安全に進めていきたい!!
著者:石川幸佑
IoTのスタートアップCACH(カック)のCOO(最高執行責任者)で、工事現場や橋などの社会インフラの維持管理のDXを実施中。
経歴はIT企業、SDGs関連のコンサルティング企業、米国のリサイクルスタートアップを経験後、NEDOのSUI事業支援や東京都の創業支援施設のコミュニティマネージャーとして、多くの起業家やスタートアップの支援を実施。
トレラン後の風呂とサウナが好き。
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